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澁澤龍彦は「姉の力」と題されたエッセイを、16世紀後半の二流詩人の話から書き起こしている。マクロコスモスたる宇宙とミクロコスモスたる人間とを照応させた、当時の新プラトン主義哲学の影響を受けた彼らは、女性を一つの巨大な世界に見立てた詩を数多く詠んだらしい。たとえばクロード・ビネ... Read More ≫
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ミシェル・ノストラダムス(1503-1566)。ルネサンス期フランスの医師、占星術師であり、なによりも予言者として知られている。日本においては、1973年に五島勉『ノストラダムスの大予言』(祥伝社)が出版されたことで一躍、有名となった。1999年、恐怖の大王が空から降り立ち、人類を滅亡... Read More ≫
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ドイツの詩人フーゴー・バルが、チューリッヒのシュピーゲルガッセ街に芸術クラブ、キャバレ・ヴォルテールを開店したのは、1916年2月のことである。第一次世界大戦の禍を逃れるため、中立国の一都市チューリッヒには、当時ヨーロッパ中の文化人、芸術家が集まってきており、バルもそのうちの... Read More ≫
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神田うのを先輩として慕う、一人の女性タレントがいたとする。仮にA子さんとしておこう。神田うのの方もまるで妹のように可愛がっているのだが、ある日、そのA子さんに悩みを打ち明けられる。B君につきまとわれて困っているのだ、と。B君というのは同じ芸能界の人間であってもいいし、青年... Read More ≫
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般若心経というのは短いお経で、下手すると、どんな解釈でも許してしまう。まったく油断も隙もない。解説と称し、手前勝手な人生論が盛り込まれることも多いが、そんなものは酔ったオヤジの自慢話と変わらない。人生ではなく経を語れ。「こう見えても、俺も昔はワルで…」なんて下らねぇ能書き... Read More ≫
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近年、もっとも話題になったニーチエ関連の書といえば、白取春彦『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)である。出版不況が長引くなか、100万部を突破しているとも聞くから快挙である。ベストセラーの例にもれず、古本チェーンでもよく見かける。調べたいことが... Read More ≫